整形外科

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは骨の量が減って、折れやすくなった状態です。骨は内部が網の目状になっていてきめ細やかな状態を保っていますが、骨粗鬆症になると内部がスカスカの状態になってしまいます。

ほとんどは加齢に伴うもので特に女性では閉経に伴う女性ホルモンの減少により骨密度の低下が加速されます。

進行すると脊椎の圧迫骨折を生じて強い痛み、背中や腰が曲がる、身長が縮むといった症状も見られます。

また手首の骨折や足の付け根(大腿骨頚部)の骨折をきたして歩行ができなくなり、手術が必要となったり、寝たきりになってしまう場合もあります。

骨粗鬆症の検査

  • 骨密度測定
  • レントゲン撮影
  • 血液検査等

検査は年齢、症状によって選択します。

 

首、肩の症状

頚部痛、肩こりといっても原因は様々です。正しい予防や治療にはその原因を知ることが大切です。頚部痛、肩こりの原因として多いものは以下のものがあります。

頚椎椎間板ヘルニア

頸椎(首の骨)と頸椎の間にあるクッションの働きをする椎間板が後方に飛び出して神経を圧迫するために、頚部痛や上肢のしびれ、痛みをおこします。 

頚椎症

特別な外傷もなく椎間板が少しづつ損傷していきます。これが頚部痛や肩こりを引き起こします。加齢とともに進行して、頸椎の端が影響を受けてとげ状の骨がでてきます。この骨の影響で神経が圧迫され痛みが発生します。

胸郭出口症候群

胸郭出口と呼ばれる肋骨(あばら骨)と鎖骨の間の神経や血管が圧迫されたり、牽引されたりすることによって頚部痛や上肢の痛み痺れが発生します。

 

首や背中の姿勢に気を付けることや長時間同じ姿勢をしないようにすることが大事なのですが、症状が続くときは整形外科専門医の受診をお勧めします。

肩関節から腕の痛みで腕が上がらないといた症状のかたは多いのではないでしょうか。以下の疾患が考えられます。

五十肩(肩関節周囲炎)

肩関節の周辺の年齢的変化によっておこる疾患です。腕を上げたときの痛み、手が後ろに回らない、夜間に痛みが強いといった症状があります。痛みの強い急性期は炎症を鎮めるため安静にして、その後の慢性期は冷やさないようにして血行を良くして肩の動きが悪くならないように動かすことが重要です。

肩腱板損傷

40歳以上の男性に好発します。症状は肩の運動障害、運動痛、夜間痛です。肩の挙上はできることが多いです。多くの方は保存療法で軽快します。保存療法は注射と運動療法です。

 

肘、手の症状

手や指の使い過ぎによる痛みやしびれ、パソコンや長時間のデスクワーク、悪い姿勢や加齢からくる痛み、外傷などの原因によるものなど多岐に渡ります。

外側上顆炎(テニス肘)

ものをつかんで持ち上げる動作で肘の外側に痛みが出る場合に外側上顆炎が疑われます。別名テニス肘とも呼ばれますが、年齢とともに腱が痛んで発症します。手をよく使う主婦の方、調理師の方によくみられます。

手根管症候群

親指から薬指のしびれと痛みが生じます。手首の手根管という神経が通るトンネルが何らかの原因で狭くなり正中神経が圧迫されることが原因です。

 

腰、背中の症状

重いものを持ち上げて急に腰が痛くなったり、慢性の腰痛症状の原因は様々です。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎(腰の骨)と腰椎の間にあるクッションの働きをする椎間板が後方に飛び出して神経を圧迫するために腰痛や下肢のしびれ、痛みをおこします。

腰部脊柱管狭窄症

腰椎の後方に脊柱管と呼ばれる神経の束が入っているスペースがあります。このスペースが加齢によって狭くなり神経を圧迫するのが原因です。歩くと下肢の痛みやしびれを発生しますが、休んで前かがみになると痛みはやわらぎますがまた歩くと痛みが発生します。

変形性脊椎症

加齢の影響で椎間板の水分が減少し、圧迫され、腰椎の端が影響を受けてとげ状の骨が出てきます。これらの変化で神経が圧迫され痛みが発生します。

 

股関節の症状

股関節は骨盤と大腿骨の間にあり、体の中で最も大きな関節で体重を支え大切な関節です。

変形性股関節症

関節の軟骨や骨がすり減ったり、形が変わったりする病気です。股関節に大きな負担がかかることによって発症することが多く、初期は臀部、大腿のこわばり、疲労感、歩行後の股関節の痛みとして出現し進行すると股関節の動きが悪くなり、脚の筋肉が落ちたり、日常的に痛みを感じ、歩行状態が悪くなったりします。

 

膝の症状

膝の痛みは歩行の妨げになるほど日常生活への影響が大きいものです。痛みの原因として最も多いのが変形性膝関節症です。

変形性膝関節症

一般に中高年に多く見られ、体重や運動などの生活習慣が深くかかわり、膝の軟骨がすり減り、関節に炎症を起こり、痛みが生じます。はじめは痛い、こわばるといった症状ですが、放置すると徐々に進行して膝がはれたり、伸ばせないような症状がでることがあります。検査と診断はいつから症状があるのか、過去の外傷歴、運動歴をお聞きして、膝が変形していないか、腫れていないか、動きはよいかを見て、レントゲン検査を行い、必要に応じてMRI検査に進みます。

 

足首・足の症状

階段で足首(足関節)をひねってしまったという方、また靴を履いた時や歩行時に足の母指の付け根の痛み、変形といった経験のある方も多いでしょう。
足部の変形では外反母趾が多くみられます。

足関節ねんざ

足関節ねんざの8割以上が足の裏を内側に捻った状態で受傷した内反ねんざ(外側靱帯損傷)です。特に前距腓靭帯、踵腓靱帯損傷が生じます。重症度は1~3度に分類され、1度は靱帯が延びる程度の損傷ではれや痛みが軽く、2度は靱帯の一部が切れた状態で痛みが強く歩行は困難です。3度は完全に切れた状態で、腫れや痛みが著しく、歩行は不可能か、非常に困難です。

外反母趾

母子が第1中足趾節関節(MTP関節)で外反した変形です。一般的に女性に多く発生します。原因として最も大きい原因は履き物です。先のとがったハイヒールや革靴などが母趾を外反させてしまいます。中年期以降は体重増加や筋力低下も原因となります。また家族内発生がみられ、遺伝的因子が関与することがあるといわれています。扁平足、開帳足といった変形も原因となることがあります。

 

スポーツ障害

スポーツによる障害は様々ですが強い負荷による反復動作により発症します。

野球肘

10~16歳の野球少年に多く見られます。投球動作の繰り返しによっておこります。投球時の痛みが主な症状で、投球を中止すると症状がおさまります。内側型、外側型、後方型に分けられます。予防として投球数の制限や炎症が強い場合は投球を禁止します。